今月は自動車運転と動体視力についてお話します。
自動車運転免許取得や更新のためには、普通免許で「両眼で0.7かつ片目0.3以上」の視力が求められますが、実際はより安全な運転のためには1.0以上見えていることが望ましいです。通常の視力表を用いて計測するのは静止視力と言い、動く物を見る時の視力を動体視力と言います。自動車運転で問題になるのは動体視力です。若い人でも、動体視力は静止視力よりも劣り、動く物のスピードが早くなると、動体視力は劣ってきます。加齢によって眼球を動かす筋肉の反応が衰えれば、動体視力は更に低下します。動体視力は、40代からは急激に低下していきます。平均的な70歳以上の人の動体視力は0.1前後まで低下していることもあります。そのため、70歳以上のドライバーは免許更新の際に動体視力検査を実施することになっています。動体視力が低下すると、距離感覚が不良になり、日常的に運転に支障をきたす原因となります。
動体視力の良し悪しは、目の筋肉の質によって左右されます。動体視力に関係する筋肉には、レンズ(水晶体)のピントの調節をする毛様体筋、眼球の動きを司る6個の外眼筋(上直筋、下直筋、外直筋、内直筋、上斜筋、下斜筋)がある。これらの筋肉の衰えはトレーニングである程度は克服できます。
つまり、動体視力はトレーニングを重ねることで鍛えられる能力ということになり年だからといってあきらめる必要はありません。
では、ここからは目の筋肉を鍛える「目の筋トレ」を解説していきます。いずれも2~3日で効果を感じられるものではありませんが、定期的に行えば動体視力の衰えのスピードを遅らせることができます。
(1)腕をまっすぐ前に伸ばし、親指を立てる
(2)親指の先を見たら、遠くの物にゆっくり視線を移し、再び指先に視線を戻す。これを10往復繰り返す
(3)次に、親指の先を見たまま、親指をゆっくり左へ動かし、それとともに眼球も左へ。親指を再び顔の前に戻し、今度は右に親指と眼球を動かす。これを10往復繰り返す。顔は動かさず眼球だけをゆっくり動かすようにしましょう。
眼球だけを上下左右、斜め上、斜め下と動かす動きも動体視力アップに効果的です。
目の筋トレは生活の中でも簡単にできます。具体的には、通勤の電車から外を見て、すれ違う列車の車両数を数える、遠くの看板や標識に書かれているものや駅名を読み取る、電車の中の人の動きを目で追うなどをしてみましょう。
また、対向車線のクルマのナンバーを読み取る、近づいてくる標識を読み取るなども効果的です。ただし、車内での目の筋トレは必ず待機中にお願いします。。運転中は危険なので絶対に行わないようにして下さい。
今日も「安心・安全・快適」なトーコークオリティでの運行をお願いします。