道しるべNo.87(2025年4月)フロントガラスやフロントバンパーに付着した虫対策について

今月は車のフロントガラスやフロントバンパーに付着する昆虫類の対策をお届けします。先月の道しるべは「樹液対策」でしたが昆虫対策も学びましょう。

暖かくなってきたら毎年のようにフロントガラスやヘッドライトまた、フロントバンバー等に虫の跡や鳥の糞が付着するようになります。特に夜間走行や高速走行の後は非常に汚れが目立ちます。どうしても虫がお車のフロントガラスに衝突する機会が増えてしまい、すぐに落とせない場合にはいつになっても跡が残ることがあります。

フロントガラスやバンパーの虫の跡が消えない理由について

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夏場や夜間帯などは、道路上に非常に多くの虫が飛び交い、車のヘッドライトに集まってくるため、当然フロントガラスにも虫が付着します。すぐに洗車をすれば落とせますが、放置してしまうとなかなか落ちません。

虫の跡が消えない理由①虫や鳥の糞に含まれる酸性成分が原因

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フロントガラスに付着した虫の死骸や糞をすぐに除去できない場合、必ずといって良いほど跡が残ります。

実は、このような跡が消えない理由の1つに「虫に含まれる成分」が関係しています。たとえば、蟻や羽蟻に含まれる「ギ酸」という成分をご存知でしょうか。

これは、蟻が植物を消化するために利用する成分で、強い酸性を示します。また、昆虫の多くは幼虫時代を土の中で過ごすことが多いため、生物由来のビタミン・ミネラル・アミノ酸が豊富に含まれているのです。つまりフロントガラスに付着した虫の跡や糞がなかなか消えない、落ちない理由は、昆虫に含まれる酸性成分がガラスやガラス傷に付着することで、それが乾いた状態で酸焼けを起こしていると考えられます。

酸焼けとは、酸性成分がガラスに付着したまま放置されることで、酸がガラス表面から徐々に内部へ浸透し、ガラス成分と化学反応を起こし、ガラスが白化してしまうことです。当然、昆虫や鳥の糞にもアミノ酸をはじめとする酸性成分が含まれているため、フロントガラスが酸焼けを起こしてしまうというわけです。一度、酸焼けを引き起こしてしまうと、クリーナーやスポンジでお掃除をしても除去することは不可能です。

虫の跡が消えない理由②誤ったお掃除方法が原因

フロントガラスに付着した虫の跡を落とそうと、市販されている「メラミンスポンジ」や「ダイヤモンドパット」でガラスを磨いてしまったことはありませんか?

一見これらのお掃除グッズを利用すると、虫の跡が消えたように見えますが、これらのお掃除グッズは、ガラス表面を削りとっているだけで実は汚れを落としているわけではありません。

ダイヤモンドパットなどを誤って利用しガラス表面をゴシゴシこすってしまうと、ガラス表面が傷だらけになってしまうため、虫がすぐに付着し跡が残ってしまいます。

虫の跡が消えない理由③酸性雨が原因

虫の跡が落ちない理由に、直接的な要因ではありませんが「酸性雨」がガラス表面に付着し、それが乾燥することによって、より一層こびりついてしまうということも関係します。

酸性雨は、当然酸性成分が含まれていますから、これを放置するとガラス表面で乾燥し、虫と同様にガラスが酸焼けをしてしまうのです。

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虫の跡が消えない理由④酸性洗剤が原因

基本的にお車で酸性洗剤を利用することはありません。というのも、酸性洗剤は鉄やステンレス製品を溶かしてしまう可能性があるためです。しかし、中国から飛来する黄砂などはアルカリ性であるため、場合によっては弱酸性のカーシャンプーを利用する方もおられます。

弱酸性のカーシャンプーは、水垢やウロコなどのアルカリ性を中心とした汚れには効果があるのですが、虫の跡には基本的に効果がありません。誤って弱酸性の洗剤を利用してしまったことにより、フロントガラスが酸焼けしてしまうことがあるため、注意が必要です。

フロントガラス虫の跡や糞の落とし方

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付着したばかりの虫の跡の場合

フロントガラスの虫の跡や糞の落とし方ですが、付着してから時間が経過していない場合には、フロントガラスを水で濡らしながら、柔らかいスポンジで拭き取ることで落とすことが可能です。

しかし、虫の跡が硬化してしまい軽くスポンジで擦っても落ちない場合には、この方法は通用しません。

お湯を利用して虫の跡を落とす方法

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付着してからある程度時間が経過し、簡単に虫の跡や糞が落とせない場合には、70度くらいのお湯にマイクロファイバーなどのガラスが傷つかない柔らかいタオルを浸し、絞った状態で虫の跡にあてがいます。お湯で虫の跡をふやかし、あとは水を含ませた柔らかいスポンジで軽く擦りましょう。これでも虫の跡が落ちない場合には、次の方法をお試しください。

弱アルカリ性の車専用虫クリーナーを使用する

くり返しお伝えしますが、虫の跡には虫の成分である酸性成分がガラスに含まれることが多いです。酸性成分には、弱アルカリ性の車専用虫クリーナーがおすすめです。水分のみの対応でどうすることもできない場合には、このような車専用クリーナーもお試しください。

クリーナーの使い方ですが、虫の死骸を除去した跡に、クリーナーを吹き付けてしばらく待ったら、拭き取ります。注意点としては、車専用虫クリーナーを使用したことで、フロントガラスに拭き取り跡が残る場合があります。このような場合には、クリーナーの成分が十分に洗い流されていない証拠ですので、その後洗車をして綺麗に洗い流すことをおすすめします。

結論として、虫の跡や糞が付着すれば早急に対処すべき!!

これから夏場にかけては「虫対策」や「樹液対策」が必要となります。お客様からお預かりしている大切なお車を私たち役員運転士は常に清潔・綺麗な状態で管理・保管する事と契約書でも明記されています。是非、運転も素晴らしい、車両管理も行き届いているトーコーのドライバーであり続けて下さい。

今日も「安全・安心・快適」な走行で宜しくお願いします。

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