給料も安定していて通常では運転できない高級車を毎日運転できる仕事で、車好きの人にとっては楽しく感じてしまうでしょう。しかし、役員運転手の仕事は難しいと言われています。
企業の重役を乗せて運転するため、精神的な負担も少なくありません。役員と会話をすることもあり、しっかりとした対応も求められます。
今回は、役員運転手の仕事が、なぜ難しいと思われているのか、その理由についてまとめました。
役員運転手の仕事のイメージ
役員運転手の仕事に対して、難しいイメージを持っている人も少なくないでしょう。その理由の一つに、役員とのコミュニケーションが難しそう、と感じることもあるのではないでしょうか。
運転中は運転に集中することはもちろんですが、役員に話しかけられれば会話をしたり、役員の様子や表情を観察したりして、心地よく乗車してもらう気配りが必要です。
敬語の使い方をはじめ、役員の気分を害しないような知識やビジネスマナーが必要です。
また、役員運転手の仕事が難しい、大変だと思われるのは、車内で快適に過ごせる運転技術や地理の把握、道路の選択肢の判断など、運転手としての高いスキルが求められるという点もあります。
役員運転手は一般的なタクシー運転手のように、お客様を目的地に送り届けて終了するものではありません。次の目的地があれば、その場所での仕事を終えるまで待機し、次の目的地まで送り届けるのが仕事です。
役員にストレスを与えず、快適に乗車してもらうためには、役員のスケジュールを把握し、乗車中の気配りや道路状況を把握し、快適な運行ができるように適格な判断力が必要です。
高い運転技術が求められる
役員運転手に高い運転技術が求められるのはいうまでもありません。企業の役員が事故などで重要な会議に遅れたり、出席できなかったりすれば企業に多大な損害を与えてしまう可能性もあります。
役員を目的地まで安全に送り届けられるよう、安全確認や危険予知、危険回避など、高い運転技術が必要です。
さらに、役員は車内で電話をしたり、パソコンを使ったりすることもあります。そういった業務をスムーズに快適にできるよう、ていねいな運転をする必要があります。
また、役員運転手として地理を細かく、しっかり把握しておくことが大切です。スケジュールがずれて、目的地まで急がなければならない場合などに備えて、回り道や渋滞しない道などを知っておく必要があります。
役員運転手が難しいのは、道だけを把握しておけばよいというものではない点です。
時間帯の道路の状況などを踏まえ、役員にストレスを与えないよう安全な運転で送り届けなければならない運転技術が求められます。それは初めて運転する道や地域についても同じことがいえます。
知識やビジネスマナーが求められる
役員運転手の仕事が難しいと言われる理由に、知識やビジネスマナーが求められることが挙げられます。
役員はストレス解消や、ちょっとした気分転換のために、運転手と会話をするケースがあります。その場合に何も言えなかったり、役員を怒らせてしまったりするようでは、役員運転手は務まらないでしょう。
車内では快適に過ごしてもらうのも役員運転手の役割です。そのためには、一般的な社会情勢や役員の関心を持っている話題などは、知っておく必要があります。
また、信頼関係があってもくだけた口調にならないよう正しい敬語を使ったり、役員以外の人と接する際にも失礼のない対応をしたりするビジネスマナーを心得ておくことが大切です。
挨拶やお辞儀の仕方、身だしなみなどにも注意しましょう。服だけでなく、髪型や爪、髭などにも注意し、清潔感のある身だしなみをすることが大切です。時には外国人と接することもあります。その場合は最低限の英会話ができるとよいでしょう。
徹底した守秘義務が求められる
守秘義務を徹底しなければならないことも、役員運転手の仕事が難しいと言われる理由です。運転中に役員が電話をしたり、同乗者と会話をしたりすることもあり、企業秘密や重要な情報を知ってしまうこともあるでしょう。
役員運転手は仕事中に聞いた情報を黙っておく守秘義務があります。特に役員から口止めをされなくても、見たり聞いたりした情報は誰にも話してはいけません。自分の判断で「この話はいいだろう」と知人に話すのもいけません。
守秘義務は企業の経営などに関することだけではなく、役員のプライベートな情報についても徹底しなければなりません。役員の体調が悪い、病院に行った、休日はゴルフに行く予定だなどの情報を誰かに漏らしてしまうと、それが原因で役員の立場を悪くしてしまう可能性もあります。
役員のスケジュールを漏らすようなことがあってもいけません。スケジュールを記載した用紙などは、むやみに放置しないように配慮することが必要です。同じ会社の社員と話す機会があっても、また何かを聞かれても、仕事中に得た情報は話さないようにしましょう。
まとめ
役員運転手の仕事が難しいと言われる理由は、高い運転技術はもちろん、役員に信頼される運転手であることが求められるからです。信頼されるためには、運転技術だけでなく、知識やビジネスマナーが必要です。
また、仕事中に知り得た情報を外部に漏らさないよう、守秘義務を徹底しなければなりません。車内では快適に過ごしてもらえるよう細かな気配りが必要です。
精神的にも苦労は多いですが、やりがいもある仕事といえるでしょう。
